天つ日を     


      昭和18年6月第五十四回紀念祭寮歌

         歌:TAKECHAN

 
 天つ日を見上ぐるまなこ    人の子に與へられずて
 天地(あめつち)()れにしときゆ     人みなは地上に群れぬ
 その地球(つち)軌道(みち)(めぐ)れば    (はろ)かなる日々のいとなみ
 耐えつぎつ虚しと()ひぬ

 ときありて(おご)れる男の兒    穹窿(おほぞら)征矢(そや)を放てど
 白き矢は靑きを(さか)り      さだめある生命老いにし
 かゝる日のかゝる生命の     追憶(かたみ)とて建てし碑文(いしぶみ)
 いみじかる言葉朽ちにし

 さはれ見よ星辰(ほし)(ほろ)びず    そが光り大地(つち)にそゝげば
 われもまた若きひとひを     過失(あやまち)征矢(そや)や放たん
 眩(まなくら)(めし)ひせむとも       人の子の郷愁(おもひ)擔ひて
 うなじあげかの天日()(もと)めん   

 たまゆらなればとことはの   その靑春は逝かんとするを

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