明治45年第二十二回紀念祭寮歌
歌:TAKECHAN
1、春より暮れて春に入る 時の恨みはながけれど
朝、小鳥の巣を出でて 向が陵に高鳴けば
うら若き日の思い出に 夢ゆたかなるわれら哉
2、巷の霧に影を見せ 疲れて消ゆる行人の
運命の前に嘆くとき 橄欖の下あひよりて
若き生命のみなぎりに うたひし歌を忘れめや
3、春、あたゝかき若草の あさき緑に指を染め
秋、まどかなる夕月の 光ほのめく窓に倚り
語りてつきぬ思ひより 若き生命は育まる
4、暮れて明るき六寮に 歌へる聲も清らけく
彌生は空にたちかへり 風あたたく薫り来て
宴の燈火またたけば おもむき深き今宵かな
5、うすき緑の盃に あふるゝ思ひ満たしめよ
紅の唇ひたしては 更けて輝やく自治燈の
光を惜みいつまでか かたみにくみて語らなむ