霧淡の 

     
明治45年第二十二回紀念祭寮歌

1、霧淡晴(たんせい)の野にみだれ     花影(くわえい)に春をさしまねく
  夢に溶けゆく淺(みどり)      あしたの空に立ち迷ひ
  夕べの影にしがらめば    春にうつろふ光あり

2、野に散りかかる花あらば   夢の名殘を花に問へ
  高ノ迷ふ橄欖の       みづ()に春は流れ來て
  武香が丘にうす霞む     朧は花の怨なり

3、力を刻む鐘あらば      古き壁画に響けかし
  春をのがるる塔影(とうえい)の     雲の(つばさ)にかげろへば
  愁の秘義(ひぎ)は解けがたし    夕べは花に涙あり


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