吹く木枯に     


    昭和7年第四十二回紀念祭寮歌 
      歌:TAKECHAN


1、吹く木枯に橄欖の     ふるふ梢の響かな
  魂に通ひて今宵又     草笛とりし若き兒の
  奏づる曲を知るや君    如月時の唄にして

2、あゝ北滿に雲低く     血潮流れて氷なし
  あやめもわかぬ闇の野を  (つんざ)く聲も嚴かに
  おゝこの叫び新た世を   告ぐる朝の鐘なれや

3、夕の星の消えゆきて    北斗かそかに歎く時
  濁世の眠り醒さばや    あゝ我が友よいざ起たむ
  芙蓉の峰に曉の      光のさすに先立ちて

4、眞理(まこと)の園は遠くとも    人生(いのち)の道はこヾしくも
  血もて穢れを清むこそ   柏の森の掟なれ
  熱き欣求に掌を合せ    己が力に祈らなむ

5、時の流れは遠くとも    三年は我が力なり
  今宵流離の運命(さだめ)とて    君歎かんかしかすがに
  魂の小琴のふれ合ひし   橄欖の下な忘れそ


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