1、光さみしく黄昏るゝ 賀茂の柳に影見せて
都慕ひし旅人は 愁の路をはるばると
夢寐にも幸を索めつゝ 今辿り來ぬ~樂丘
2、夕べ静けき星空に 思ひを馳するふる里の
花美しく綻びし 幻淡く浮ぶとき
ふるへる若き魂は 人に知られで涙する
3、げに吾等こそ荒浪を 渡る小舟に似たらずや
今宵繋がん島も無く 惑へるまゝに漂へば
正しき水路を進めよと 水馴棹執る友ごころ
4、噫、その友ともろともに 運命の燈火明くして
この世の縁談らひつ 交みに酌まん宴には
溶くる情の美酒こそ われらが若き泪なれ