覺醒の歌 血は青壮の脈管に湧き   

      第三高等学校明治38年

         歌:TAKECHAN

 1、血は青壯の脈管に湧き   肉双腕に躍るかな
   春酔狂の肘枕       七百の夢破る可く
   嗚呼かゝげたる覺醒の   光を浴びて覺醒めずや

 2、それ頑迷は鐵拳の     血汐降らして砕く可く
   それ老朽は照闇の     炬火に投じて焼去らん
   咄、何眠る七百の     我健兒の寂寞ぞ

 3、浅間に上る火の柱     蒼空こがす様を見よ
   星漢雲におのゝきて    深くひそめる其下に
   自由の野邊に花咲きて   希望の子等は群れ集ふ

 4、熱血すゝり若き子が    こゝ叡嶽の裾にして
   雄心堪へず射部と立ち   先ず高鳴との矢を飛ばし
   さて七百の健兒が     永き眠を呼ばん哉
   
*三高歌集では、「雄心」は「ヲゴコロ」、「射部」は「イブ」のルビ。

 5、起てよ七百青壯の     血よ湧きかへれ朝明に
   高くあがれる覺醒の    歌聲聞きて目醒めずや
   咄、何眠る七百の     我健兒の寂寞ぞ