1、楠の葉末のさゝやきに 南の國は秋たけぬ 古城につどふ若人の 夕べ寂しき欄干(おばしま)に 沈黙(しじま)あやしき池水の 深き憂をかこつかな 3、運命(さだめ)を荷ふ子羊も さめては如何に迷ふらん いざくつろぎの團樂(まどゐ)して 若き生命(いのち)を高調(たかづ)せよ 君が情に比ぶれば 煙も薄し櫻島 5、そは永からぬ三年かし さはれ床しき若人が 靈(たま)と靈との結びては 何時かは解けむ永久(とことは)に 君な忘れそ楠蔭の 南の國の起き臥しを