櫻眞白く     


      大正六年第二十七回記念祭寮歌


1、櫻眞白く咲きいでて    悲しき春の立ち來れば
  黄金を溶かす夕映えに   六寮の窓燃ゆる時
  彌生ヶ丘の若人は     高歌ふなり自治の歌

2、その自治の曲末遠み    流れて今日は來れども
  湧き立つ血潮青春の    聖き眞摯と力こそ
  深山に秘めし玉のごと   今に傳へて吾が誇

3、あゝ東よりはた西ゆ    柏の森に集ひ来て
  あはれ人生の強者と    雄々しく叫ぶ同胞よ
  指導の旗は翻り      軍鼓は高く鳴り出でぬ

4、されば吾が友太刀を佩け  汝が緋縅を鎧へかし
  過去の夢よりさめ出でて  疾く起ち黎明の門開き
  日出づるところ大いなる  理想の國を指呼せずや

5、廿年あまり七年の     光榮の歴史は廻り来て
  今宵向陵火は赤し     珠玉の杯に唇づけて
  同じ理想に相よれる    友と笑ひを交はさんか


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