明治四十三年柔道部部歌
1、時乾坤のうつろひに 向が岡の春闌けて
花のみ薫る來し方の 二十の關を見かへれば
一すじ冴えて行く水に 生けるひヾきぞたぎり行く
2、春千山の花ふヾき 秋落葉の雨の音
濁世の影を遠くして 柔の敎にひそみ行く
聞かずやこゝに搏撃の 音鼕々とたえざるを
3、古き歴史の跡問へば 靑葉城下の鬨の聲
壯士白衣の肌寒く 易水の風蕭々と
北に撫劔の丈夫が 首途の曲ぞ胸にしむ
4、風大塚の花に來て こゝに亂るゝはれ軍
科戸嵐にひるがへる 護國旗髙く飄々と
香り漲る六合の 行方に敵の影もなし
5、黒潮たぎる絶東の 櫻花の國に生れ來て
三千年の花と咲く 我が武士の道を訪ふ
胸の血潮の髙鳴に 我責任こそ身にあまれ
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