東皇回る     


      大正八年東和寮落成紀念歌


1、東皇回る暁色に      見よやここにも春多少
  芳艸籬下に萌え初めて   梅梢一朶綻べば
  渾身の地は滾り出て    豊頬光る自治の城

2、天飈一過桐葉暮れ     空しく髙し滿架の書
  黄昏薄る幽棲に      梵鐘の聲絶ゆる時
  悲酸の涙うるほひて    客愁深し自治の秋

3、夢魂驚き窓推せば     三層樓は今何處
  人生何ぞ此の地のみ    有爲轉変を免れむ
  塵寰捨てし此の城も    榮古の定め知りぬ今


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