彌生ヶ丘に洩れ出づる     


      大正十年第三十一回記念祭寮歌


                    
         序

  彌生ヶ丘に洩れ出づる   祝の聲は若人の
  燭かゝげ誦ふらむ     三十一の紀念祭
         
         晨

  黎明近き丘の上      晨の星の燦けば
  心の小琴張りて     人知れずこそ響きけれ

         夕

  雙手擧げつゝ樓に    落ちゆく夕日見送れば
  友の瞳の輝きぬ      夕の星の瞬きぬ

         歎

  歎けど時の老いゆくを   止め止めんすべもがな
  慕へど友の去りゆくを   何日相見んよしもがな

         宴

  灯影搖らゝぐ自治燈に   せめて三年の逝く春を
  語る涙に思出の      盡くとしもなき宴かな


この寮歌の解説は、ここをクリックして下さい。