昭和17年成城高等学校寮歌
歌:TAKECHAN
1、多摩のせゝらぎ滾々と
往きて帰らぬ泡沫の
消ゆる名残を傷みてや
夜をしぬびなく葦間風
2、薄紅の夢の花
舞美わしきハイデルに
芽吹きそめにし恋心
椿の如く燃えにしを
4、瀛州の宴仙人が
ひとみ遥かに見さくれば
今宵別離の感傷に
泣けとの如く月冴ゆる
5、嗚呼さらば行けいとし友
多摩の川辺の歌声は
喜多見ヶ丘を下りて行く
君を祈らん末遠く
2番の歌詞にある「ハイデル」について、成城高・村瀬先輩にお尋ねしたところ、
概要次のとおりの返事をいただきました。参考の為、転記します。
ハイデルというのは成城創立時、喜多見、狛江、の向こうに多摩川が見通せる成城一帯の高台が雑木林で
そこを成城生がハイデルの丘と呼んで散策、逍遥の場としておりました。そのため住民もハイデルの丘と呼ぶようになったのです。
ハイデルはハイデルベルグから来ているのですが、それが「アルト ハイデルベルグ」から取ったのか、学園都市「ハイデルベルグ」
から取ったのか、はたまた世界最古の大学「ハイデルベルグ大学」からとったのか定かではありません。旧高生はそこらへんを
一緒にして、なんとなくロマンチックにイメージしたのかも知れません。この歌は放校される(多分思想問題か?)友人を送る歌
として作られたのですが、その後は卒業生を送る歌、ハイデルの丘を散策する逍遥歌としても歌われました。
「寮歌としては珍しい中身だが、成城らしいね」とよく言われます。