1、時じくぞ花繞り咲く 學都の空の薄霞
浮びて我をめぐり舞ふ なつかしの夢胸ゆらる
2、生命こもらひ光ある 木立は綠もえ出でぬ
富士紅のあかときは 尊き戀の象を見よ
5、三歳の陵の憩には 喜び憂ひなげきあり
憶へばその一つだに 我等が若き日の歩み
6、游絲繞樹の榮なきも よはひはめぐり我寮の
祭のあかりさ綠に 映ゆる夕をたゝへかし
*「繞樹」のルビは、静岡高の「定本寮歌集」では「ゼウジュ」。「ぎょうじゅ」(「日本寮歌集」)は間違いか。