BGMは、旧制第一高等学校大正4年紀念祭京大寄贈歌「散りし櫻」

三春の滝桜
日本五大桜・三春の滝桜

 仙台藩主伊達正宗の正室愛姫(めごひめ)の里である旧田村藩三春には、古くから紅枝垂桜の巨木があった。愛姫が秀吉の東北処断により取り潰された実家の再興を願い、息子である二代藩主伊達忠宗に対し、「いろよきはなのえたをこそみる」と遺言に認めたのは、恐らくこの桜の木を懐かしく思い浮かべてのことであったと思う。この桜こそ、日本五大桜の一つ、「三春の滝桜」である。満開時には、滝の流れ落ちるように萬朶の花が咲き匂うことから、「滝桜」と呼ばれている。
 平成25年4月16日、満開の花だよりが伝わるや、私は東北道から磐越道に車を飛ばして、10年ぶりに、「三春の滝桜」を訪ねた。平成17年の大雪や同23年の東北大震災による被害を心配していたが、樹木医の適切なる措置を受けたお蔭で、ほぼ往時の樹勢を挽回していた。滝桜は、幾星霜の風雪に耐えながら、また滝桜を愛する人々に守られながら、四方に枝を拡げ、大地に太い根を張って、大空に向って凛として聳えていた。行く春を惜しみ北上する桜前線を追って、春爛漫の三春の丘を訪れた旅人は、青い空から紅を刷いて怒濤の如く流れ落ちる雄大かつ壮麗な萬朶の花に、ただ感嘆するばかりであった。
 写真は、この日に撮ったものである。
 滝桜はじめ日本五大桜については、私のホームページ「花と鳥と古寺巡礼」の「花ー桜」に掲載し説明しています。
*平成14年春に訪れた時の説明および写真も末尾にそのまま掲載しております。両方の写真を比べると、観桜のための通路などが増設・延長されたりして変更されているのが分かります。

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撮影場所:福島県三春「滝桜」
撮影日時:平成14年4月6日(日にちは間違いか? メモのまま) 
 岐阜の淡墨桜・山梨の神代桜とともに日本三大桜の一つである三春の「滝桜」は3日前に開花し、6日満開。昨日は岐阜根尾谷の淡墨を見に新幹線、今日は福島三春まで自家用車を飛ばして滝桜見物と、我ながら自分の桜馬鹿には、少しあきれている。淡墨桜、神代桜は樹勢がかなり弱っているが、この滝桜は今なお樹勢旺盛で、その姿は、まさに流れ落ちる滝のごとく、花色は濃紅艶美である。名木中の名木、日本一の桜といっても過言ではあるまい。(当日の撮影メモより)