南の海の         

   昭和18年台北帝國大學高砂周遊の歌

           歌:TAKECHAN    

 1、南の海の色冴えて    燕は北へ帰りけり
   朱欒花咲く丘に来て   仰げば深き青空の
   まほら流るる白雲に   遥けき旅を恋うるかな

 2、春日かぎろういざご路を ゼーランジャ城訪い来れば
   御朱印船の夢のあと   戦の庭は草萌えて
   海藻を干せる磯の辺に  ひともと紅し仏桑華

 3、咽ぶ胡弓の音に暮るる  古都台南の夕まぐれ
   媽祖廟の庭苔むして   雨に散りゆく栴檀は
   うす紫に匂いつつ    春の愁いを分つごと