武蔵野渡る     


      新制東京大学昭和三十二年第八回駒場祭寄贈歌

         歌:TAKECHAN


        序
   武蔵野渡る涼風に    黄金散り敷く弥生道
   我が魂の故郷に     八度祭は廻り来ぬ
   友よ歌はん二年の    我が若き日の追憶を

        想
 1、芙蓉の彼方に日は落ちて 灯赤し三つの寮
   時計臺にかかる北斗星  黙示聞けとて瞬きぬ
   若き望みに登り来し   この丘の上ぞ幸多き

 4、時代の浪は狂ふとも   我を導く柏葉の
   先人の血の培ひし    自治の伝統は六十年
   光榮の歴史の育くみし  銀杏の若木ぞ頼もしき

        結
   追憶盡きぬ駒場野に   祭の宴夜は更けて
   篝囲みし若き子の    頬紅に輝きぬ
   高き理想の象して    紅蓮よ天に冲せかし
   

 私自身は、「想」のところこそ、情感たっぷりにゆっくり歌うべきか。、ここでは楽譜のテンポ指示に
   従い、序に比べ、「やや速く」歌っています。
   東大駒場寮寮歌は、OB寮歌の会でも、ほとんどといっていいほど歌われません。このままでは、一高
   寮歌よりも、新制東大駒場寮歌の方が、先に消滅してしまうのではないかと心配しています。私だけでも、
   この貴重な駒場寮寮歌を歌い続けていこうと思っています。